なぜ他の医療機関の病名もカルテに記録するか

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「色んな病院から薬でてるけど、大丈夫かな?」

皆さん、こんにちは。鹿野クリニック院長の鹿野 耕太です。
私たちは日々、患者さん一人ひとりの健康をサポートするために尽力しています。
今日は、近年特にその重要性が増している医療連携についてお話しします。
「色んな病院から薬をもらっているけど、身体に悪いんじゃないかな?」
「自分には、別の病院で治療している持病があるけど、今日のお薬は影響ないかな?」
「薬が凄く多いけど、コレって飲みすぎじゃない?」
このように、複数の病院を訪れることで、薬の相互作用がないか、薬が多すぎて大丈夫か、
自分の治療歴を正確に医師が把握しているのか、など不安に感じることがあると思います。

複数の医療機関にかかっているという問題

家庭医として診療をしていると、他の医療機関に通院している方が自分の医院を受診される場合もあるし
また、反対に当院に通院している方が何かの理由で他の医療機関に受診・通院する場合があります。
高齢化が進んだ現在、1つしか健康の問題がないことはむしろ珍しく、
こうした状況はどのような診療科の医師であれ頻繁に遭遇します。
そんなときに、別々の医療機関から出されたお薬を飲んだりすることがありますが、
そのような場合に起こりうる薬の相互作用や、重複などをいかにして減らして行くか、という話です。
当クリニックでは、患者さんが他の医療機関で受けている治療についても詳細に記録し、カルテに記載することで、薬の相互作用や重複を防ぐ取り組みを行っています。例えば、関節リウマチでA病院から処方された薬があり、眼科にも通院中、当クリニックでは高血圧、糖尿病の薬を処方されている患者さん、という想定で考えてみます。

実際のカルテはこんな感じです。

#1 関節リウマチ(A病院、薬A(用量、飲み方) )
#2 糖尿病(薬1)
#3 高血圧(薬2、薬3)
#4 緑内障(B眼科) 

・・・
#は「ナンバー記号」というもので、その患者さんが持つ健康問題に番号を振ってリスト化します。

このように記載することで、
他の医療機関で扱っている問題点、治療内容が見える為
1:薬の相互作用
2:使用している薬の種類が多すぎないか。ポリファーマシーになっていないか。
3:副作用はないか
にいつも注意をすることができます。
「採血で肝機能があがっている。これはリウマチで内服している薬のせいかもしれない」
「風邪で薬を出す際に、緑内障があるから、薬の選択に気をつけないと」
などという感じです。

紹介状には詳細な記録を

また、当院で治療中の方が、他の医療機関にかかる場合には、
紹介を受ける医療機関が患者さんの病歴を素早く整理出来る様に、
紹介状の中に、これまでにかかった病気、アレルギー、生活習慣(喫煙、飲酒) 、
健康上の信念、内服中の薬剤の内服開始時期と内服理由、
を詳細に記載しています。

最適な治療を受けるためにできる事

患者さんご自身にも、医療連携をスムーズにするためにできることがあります。
病院を訪れる際は、お薬手帳、過去の重要な医療記録、検査結果などを持参してください。
これにより、医師が迅速かつ正確にあなたの医療状況を理解し、最適な治療を提供することができます。

木を見て森も見る

現代では、一人の患者さんが複数の健康問題を持つことが一般的です。それらの問題を総合的に理解し、適切に対処するためには、医療機関の間の連携が不可欠です。鹿野クリニックでは、「木も見て、森も見る」アプローチを取り、家庭医療の専門知識を活用して、患者さん一人ひとりに合ったケアを提供しています。

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