横隔膜ほぐしで深い呼吸とリラックスを

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みなさん、こんにちは。院長 鹿野です。最近、寝ている間に緊張がとれていないことがあり、何が原因かなと色々調べていたら、横隔膜が硬くなる、という記事に興味を持ち、「隠れ酸欠から身体を守る横隔膜ほぐし(京谷達矢著) 」という書籍を読んでみました。

横隔膜が健康に与える影響

本書では、隠れ酸欠を防ぐには、単に深く呼吸をするだけでは不十分で、体の中心にあり、呼吸に大きな影響を与える「第二の心臓」である横隔膜のケアが欠かせない、普段の生活ではなかなかケアできない「横隔膜」をやわらかくし、呼吸を深く変えて健康になる方法をイラストでわかりやすく紹介されています。
現代人の中には、なんだか疲れやすく、深く息を吸えないと感じる方が多いのではないでしょうか。当院でも、同じような症状で受診される患者さんが少なくありません。レントゲンやCT検査をしても異常が見つからず、原因不明のまま困り果てているケースも多いのです。

本書で示されている通り、このような症状の原因として見逃されがちなのが、「横隔膜の硬直」です。

横隔膜は、人体の胸と腹を分ける重要な筋肉で、呼吸を助ける役割を担っています。
「横隔膜」という名称には「膜」という文字が使われていますが、実際には上腕二頭筋などと同じ筋肉です。焼肉でよく知られる「ハラミ」は、横隔膜を指しています。これで横隔膜が筋肉であることのイメージがつきやすいかもしれません。

この横隔膜は、加齢や緊張、悪い姿勢などで硬くなります。これにより呼吸が浅くなり、体内に十分な酸素を取り込めなくなります。その結果、慢性的な疲労や息苦しさ、不安感を引き起こすことがあります。

漢方にみる横隔膜の重要性

漢方の処方を行う際に目安と、両側の肋骨の下に手を入れようとすると硬さや痛みを感じる「胸脇苦満(きょうきょうくまん)」という所見があります。胸脇苦満は、特にストレスや不安を抱える方に多く見られ、胸脇苦満がある場合に柴胡剤(さいこざい)という薬が使われます。柴胡剤はストレスを和らげるための漢方の安定剤で、このような不安や緊張の緩和に役立つとされています。
胸脇苦満は、横隔膜の硬さも関連しているのではないかと私は考えています。横隔膜が硬くなると、呼吸が浅くなり、十分な酸素が体に取り込めなくなります。それによって、慢性的な疲労感や息苦しさを感じることがあるのです。さらに、横隔膜の硬直は周囲の臓器にも影響を与え、横隔膜は心臓や肝臓、胃などの近くにあり、硬直することでこれらの臓器の機能が低下し、全身の不調に繋がる可能性があります。

横隔膜をほぐすことで得られる効果

そのため、横隔膜の柔軟性を取り戻すことが、深い呼吸を回復し、体全体の調子を改善する一つの方法となる可能性があります。

私自身も横隔膜ほぐしを試して、呼吸が深くなるとともに体のリラックス効果を感じました。特に夜に横になったときに体の緊張感が和らぎ、睡眠が深くとれました。呼吸が楽になることで、日中の疲労感も軽減される気がします。

横隔膜ほぐしの簡単な方法

では、横隔膜をどのようにほぐすか、その簡単な方法をご紹介します。

  1. リラックスして座る/横になる
    リラックスした状態で深呼吸をしましょう。
  2. 肋骨の下を押す
    両手を肋骨の下、横隔膜にあたる部分に置きます。親指以外の指を使って、軽く押すようにしてその部分をゆっくりマッサージします。押した状態でおなかが膨らむよう深呼吸をしてください。痛みを感じる場合は無理せず、痛くない範囲で行いましょう。
  3. 深い呼吸を意識する
    マッサージしながら、深くゆっくりと呼吸を続けます。呼吸が少しずつ深くなるのを感じるまで、1〜2分程度続けます。

この簡単なマッサージを取り入れることで、横隔膜の柔軟性が改善され、自然と深い呼吸ができることが実感できると思います。もし、息苦しさや慢性的な疲労感に悩んでいる場合は、横隔膜の状態を見直してみることをお勧めします。


参考文献:
「隠れ酸欠から身体を守る横隔膜ほぐし」京谷達矢著

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